フライバーグ病とは? 知っておきたい原因と治し方

4月 18, 2022

フライバーグ病

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フライバーグ病とは

フライバーグ病の痛みが発生する場所のイラスト。詳細は後述

中足骨の先端(指側の骨の頭)部分に痛みを伴う疾患を、「フライバーグ病」といいます。

フライバーグ病(別名:第二ケーラー病)は、患部に繰り返し圧力がかかることが原因で骨が(微小の)骨折・変形・壊死などを起こします。

早期発見・早期の徹底治療が肝要で、放置すると関節変形をきたし、痛みが残る場合もあります。
「成長痛では?」などと軽く考えず、早めに整形外科を受診することをおすすめします。

こちらではフライバーグ病の症状や原因、対処法などをご紹介いたします。

フライバーグ病の症状

中足骨骨頭部の解説イラスト。中足骨骨頭部は足の付け根にある骨の先端部のことです。

足には「中足骨ちゅうそくこつ」と呼ばれる、足と足指をつなげる骨があります。
この中足骨の先端(中足骨骨頭部)が骨折・変形・骨棘形成などをして、無腐性壊死になることで起こります。

「壊死」と聞くととても怖いですが、成長期なら再生が可能な場合があります。

フライバーグ病は、主に成長期で骨がまだ柔らかい10~18歳くらいの女子に多く見られる疾患です(男女比は、男性1に対して女性5)。
稀に、男性や成人にも見られます。

発生割合として最も多いのは人差し指で68%、続いて中指で27%、薬指で3%の順にあらわれます。

基本的には片側の足だけが痛みます。

似たような症状に「中足骨骨頭痛ちゅうそくこつこっとうつう)」や「モートン病」がありますので、整形外科を受診して確かな診断を受けることをおすすめいたします。

<関連記事>

フライバーグ病のステージ

フライバーグ病は症状や進行具合により5つのステージに分類され、後述の治療方針に影響を及ぼします。

ステージ1 中足骨骨頭の軟骨下骨の微小骨折
ステージ2 中足骨骨頭関節面の軽度扁平化
ステージ3 中足骨骨頭関節面の圧壊など
ステージ4 遊離体の確認、関節軟骨消失、解剖学的な修復が不可能
ステージ5 骨頭の平坦化と関節裂隙狭小化

フライバーグ病の原因

ヒールの高いパンプスを選んでいる女性の写真

フライバーグ病は原因不明なことが多いですが、基本的には中足骨の変形・骨棘形成などを起こした箇所への血流が悪くなり、部分的に成長が止まる(壊死する)ことで起こります。

よくある要因として、以下が挙げられます。

  • スポーツや慣れてない動きで過度な負荷がかかること
  • 足先の窮屈な靴やヒールの高い靴を履き続けること
  • サイズの合っていない靴を履き続けること
  • 痛みが生じているのに我慢して放置してしまうこと

スポーツや慣れていない動きで過度な負荷がかかること

思春期の部活や普段は行わない動きで中足骨に過度な負荷がかかると、中足骨の先端が骨折・変形・骨棘形成などを起こします。

また、普段行わない動きで過度な負荷がかかると、同様の現象があらわれる場合があります。

足先の窮屈な靴やヒールの高い靴を履くこと

思春期にお洒落を楽しもうと、ヒールの高い靴を履いたり、足先の窮屈な靴を履いたりすることで、中足骨骨頭の形状変化が起きる場合があります。

10~18歳くらいの女子は骨がまだ柔らかいことから、こうしたことが起こりやすくなります。

サイズの合っていない靴を履くこと

上記と同様に、サイズの合っていない靴を履くことでもあらわれます。

成長期には足サイズも大きくなりますが、成長にあわせることなく同じ靴を履き続けた場合、足先は窮屈になり、過度な負担がかかり続けます。

大人でも足先の窮屈なパンプスやヒールの高い靴を履き続けることで、同様の症状が起こります。

痛みが生じているのに我慢して放置してしまうこと

中足骨に何らかの圧力がかかり痛みが生じている状態を放置すると、やがて圧力に耐えきれなくなり、骨折・変形・骨棘形成などを起こす可能性は高くなります。

少しでも痛みや違和感があるのであれば、足を安静に休めることも大切です。

フライバーグ病の治療法

フライバーグ病が疑われるようでしたら、早期に整形外科を受診することをおすすめします。

フライバーグ病は、基本的には以下の治療法を行います。

保存療法

  1. 安静や運動制限
  2. 痛み止めの内服
  3. ステロイドの局所注射
  4. インソールの使用
  5. 靴指導
  6. ギプス固定(最低6週間)

発育期は不用意な保存療法の継続は治癒期間を長引かせるだけではなく、骨頭の修復の機会を逸する危険性があるので、積極的に外科手術を選択する事が望ましいとされています。

手術療法

  • 状態に合わせて代表的な4種類の手術療法から選択
  • 術後は固定せず、痛みに応じて荷重をかけていく
  • 術後2〜3ヵ月で骨癒着が確認できしだい、運動できるようになる

フライバーグ病を大人まで放置した場合の治療法(成人期残存性フライバーグ病)

思春期にフライバーグ病になっても病院を受診しなかったり、手術を希望しなかったりするケースがあり、大人になって我慢しきれずに整形外科を受診するケースも散見されます。

成人期も基本的な治療方針は上述と同じですが、症状を軽減し、関節症性変化につながる骨端変形を最小限にとどめることが重要とされています。
そのため、保存療法(痛み止めの内服・ステロイドの局所注射・靴指導が中心)は少なくとも半年かけて行うことが多いです。

保存療法でも効果が見られないステージ4・5については、手術を検討します。

フライバーグ病の手術は、経験豊富な医師が執刀すれば成功するケースが多いので、信頼できる整形外科に相談するのが望ましいでしょう。

成人期のフライバーグ病は、おおよそ3ヵ月から1年かけて治癒していくことになります。

フライバーグ病の予防策

フライバーグ病にならないためには、中足骨への負担をなるべく抑えること。
そして、痛みが出たら無視をしないことが肝要です。

  • 足に痛みを感じる時は運動を行わない
    (何日も続くようであれば、整形外科を受診する)
  • 足先が窮屈な靴、ヒールの高い靴を控える
  • 足サイズにあった靴を履く

大人であってもフライバーグ病の可能性はありますので、しっかりと足サイズに合った靴を履くように習慣づけましょう。

靴の選び方については、「正しい靴の選び方 ~上級シューフィッターが解説~」をご覧ください。

<参考文献>
  • freierg病 -発育期での問題点|垣花昌隆(臨床スポーツ医学 38(10):2021.10 p.1136-1141)
  • 成人期遺残性Freiberg病|殿谷一朗(臨床スポーツ医学 38(10):2021.10 p.1142-1145)

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