外反母趾の原因は？ 女性・男性・子ども別に徹底解説

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外反母趾とは

外反母趾とは、足の親指（母趾）が「くの字」に曲がる症状です。
外反母趾は女性に多い足トラブルで、30～50代で悪化しやすいとされています。

(※1)推定発症年齢は、18～65歳で23％、65歳以上で35.7％となっています。

(※1)参考：『外反母趾診察ガイドライン2022 改訂第3版』日本整形外科学会・日本足の外科学会 (監修)

(※2)厚生労働省による統計では、1984年から2017年で外反母趾の患者数は約８倍にも増えています。

(※2)患者調査｜厚生労働省（2017年）

こちらでは、外反母趾の原因について、女性・男性・子どもに分けて詳しくご紹介いたします。

外反母趾の症状

外反母趾になると以下の症状があらわれます。

• 突出部が靴に当たり、炎症や痺れを起こす
• 突出部の神経を圧迫して痛みを伴う
• 母趾変形に由来したタコができて、さまざまな場所で痛みを伴う
• タコを形成せず皮膚腫瘍（しゅよう）となり、手術を要する
• リスフラン関節症を発症し、足の甲が痛む
• 足の付け根の関節（MTP関節）が脱臼し、重度のタコを形成して激しい痛みを伴う
• モートン病になり、足底の神経が圧迫されて痛みを伴う
• 足指の爪が皮膚にくい込み巻き爪になる

参考：『外反母趾　病態を理解し,正しい治療選択ができる』 編集：須田 康文（2019年,メジカルビュー社）

初期症状

外反母趾の初期症状は、足のアーチが崩れることで、足裏、かかと、親指の付け根に痛みを感じます。
まだ足の親指はそれほどの変形しておらず、外反母趾と気付けないケースもあります。

しかし、「開張足（かいちょうそく）」や「扁平足」など足裏のアーチが崩れによる弊害があらわれてきます。

開張足について詳しく知りたい方は、「開張足とは？ 知っておきたい原因と対処法」の記事をご覧ください。

痛いときの対処法

外反母趾が痛いときには、母趾ストレッチや冷湿布、アイシングなどの対処法や、サポーター、包帯、ガーゼなど外反母趾対策グッズを使った対処法などがあります。

詳しくは、「外反母趾のズキズキ痛み！ 今すぐ対処する方法【応急処置】」の記事をご覧ください。

また、記事の最後で解説しますが、痛みの根本から対処するには以下の対処法がおすすめです。

• 整形外科を受診
• 外反母趾体操を行う
• 正しい靴を履く

病院に行くかどうかの判断

外反母趾は、症状が重くなればなるほど治療が難しくなります。
外反母趾が疑わしいと感じた場合、たとえ痛みがなくても早めに整形外科を受診することをおすすめいたします。

外反母趾と診断されると、保存療法として以下を行うことになります。

• 靴の指導
• 運動療法
• 装具療法

また、場合によっては痛み止めや湿布などを処方されます。

外反母趾になる原因は

外反母趾は多くの要因が考えられており、いまだにはっきりとした病因は分かっていません。
複数の要因があり、それらが重なって発症すると考えられているからです。

参考：『外反母趾　病態を理解し,正しい治療選択ができる』 編集：須田 康文（2019年,メジカルビュー社）

女性に多い原因

女性は、以下のような原因で外反母趾になることが多いです。

• 先の細い靴を日常的に履く
• ヒールの高い靴を日常的に履く
• 遺伝的要因（骨の形、靭帯の硬さ、筋肉や関節の柔らかさや可動域など）
• 扁平足や開張足など足アーチの崩れ

女性は男性に比べると足が柔らかく、筋肉量が少ない傾向にあります。
加えて、おしゃれのために足に合わない靴を履き続けることで、足の形が変形しやすく外反母趾になるケースが多いです。

男性に多い原因

外反母趾は女性特有の症状とされていましたが、近年は男性でも外反母趾になる方が多いです。

理由としては、以下の通りです。

• 足サイズに合っていない靴を履く
• 扁平足や開張足など足アーチの崩れ

男性は、足指の筋肉が衰えたことで扁平足や開張足になるケースが増えています。

仕事で外回りをする機会が多い人は、履いている革靴が自分に合っているかどうか確かめてみましょう。
日常的に履く靴のサイズが大きすぎたり小さすぎたりすることでも外反母趾の要因になります。

男性で外反母趾が気になる方は、「男性の外反母趾　知っておきたい男性特有の原因と対策」の記事もご覧ください。

子どもに多い原因

未就学児や小学生でも外反母趾になるケースがあります。

多くは遺伝的要因がその原因となっていますが、生活習慣や靴が原因の場合もあります。

• 足サイズに合っていない靴を履く
• 遺伝的要因（骨の形、靭帯の硬さ、筋肉や関節の柔らかさや可動域など）
• 扁平足や開張足など足アーチの崩れ

小さな靴を履き続けると足の変形が認められたという報告や、 (※4)外反母趾角が大きいと足の握力（足趾把持力）が弱い、という報告もあります。

成長に適した正しいサイズの靴を選び、未就学児は足裏を鍛えられるように家ではスリッパや靴下を着用させないなど、注意深く足の状態を見守ってあげましょう。

(※4)小学生高学年における外反母趾角と足趾把持力の関係｜松原 慶昌ら

外反母趾になったときの対処法

外反母趾の症状が疑われる場合、まずは整形外科を受診することをおすすめいたします。

そのうえで、自宅でできる対処法をご紹介いたします。

• 外反母趾体操
• 正しい歩き方をする
• 正しい靴を選ぶ

外反母趾体操

外反母趾体操とは、足指の筋肉を鍛えたり、ストレッチをしたりする体操です。
特にホーマン体操や足指のグーパー運動は、(※1)軽度から中等度外反母趾の改善効果が認められています。

(※1)外反母趾診察ガイドライン2022 改訂第3版｜日本整形外科学会・日本足の外科学会 (監)

外反母趾体操について詳しく知りたい方は、「一日30秒から! 外反母趾を自宅で治す効果的な方法【４選】」の記事をご覧ください。

正しい歩き方をする

ここでいう正しい歩き方とは、足指を使った歩き方をさします。
外反母趾は、扁平足や開張足など足アーチの崩れが要因で発症することがあります。

足アーチの崩れは、足裏の筋肉が衰えてしまった証拠。
日々の歩行で足裏の筋肉を刺激することができれば、外反母趾の改善や抑制に大きく役立ちます。

正しい歩き方については、「外反母趾に有効な「正しい歩き方」 ～改善・抑制につながる歩行～」の記事をご覧ください。

正しい靴を選ぶ

足サイズに合わない靴を履くことによって、外反母趾は発症・進行します。
ですので、大きすぎず小さすぎず、足にフィットする靴選びが大切です。

一般的に足サイズというと足長（そくちょう）を想像すると思いますが、足囲（そくい）・足幅（そくふく）などのサイズもあり、どちらも靴選びには大切になってきます。

足長（そくちょう）	足囲（そくい）	足幅（そくふく）
指先の最も長いところから、かかとの最も出っ張ったところまでの長さ。いわゆる一般的な靴のサイズ	一番幅の広い、「親指の付け根」と「小指の付け根」を一周取り巻いた長さ	一番幅の広い、「親指の付け根」と「小指の付け根」を結んだ直線

靴の専門店でさえも、足幅や足囲サイズまで明示しているところはほとんどありません。

足長だけ合わせても自分の足に合った靴とはいえませんので、「足幅」や「足囲」を測ったうえで、それに合わせて靴が買えるお店を選びましょう。

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