【疑問解決】外反母趾は手術なしで治せますか？

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外反母趾は手術なしで治すことができるのか？

その答えは、「症状による」です。

現行の装具療法では、外反母趾の変形に明らかな改善効果が得られることは困難とされています。

装具療法で効果が得られるのは、痛みの軽減効果です。
また、運動療法と併用を行うことで若干の変形の改善効果（軽度〜中等度の外反母趾に限る）があるとされています。

外反母趾の運動療法は非常に重要です。
特に足指じゃんけんやホーマン体操は、軽度〜中等度の外反母趾では変形矯正効果が、重度の外反母趾では悪化予防が期待されています。

しっかりと効果を出すために、継続して行うことが重要です。
そして、それらの保存療法が無効な場合において、患者さんの訴えやがあれば手術療法を検討することとなります。

手術は誰も受けたくないもの。
一方で、無効な保存療法を長期間続けてしまうと、手術療法に切り替えるタイミングが遅れて治療期間の長期化や重症化といったデメリットも生じます。

それらを理解していただいた上で、なるべく手術を選択しなくてすむような対処法をご紹介します。

外反母趾に有効な対処法

写真：イメージマート

論文や研究などで明らかになっている有効な対処法をご紹介いたします。

外反母趾体操

運動療法として有効なのが外反母趾体操です。
中等度までの治療には外反母趾体操が効果的とされています。

ご紹介する体操はいずれも、自宅や勤務中でも簡単に、しかもラクにできる体操です。
わずか30秒でできるものもありますので、時間を見つけてすぐに取り組むようにしてください。
（治療中の方は必ず医師にご相談の上、行ってください）

タオルギャザー運動

足の指を使って地面に置いたタオルをたぐり寄せます。
足指が少し浮くところまで膝を伸ばすことで、正しい運動効果を得られやすいです。

ホーマン体操

両足の親指にゴムをかけて、痛みがでない範囲でゴムを伸ばす運動です。
硬くなった筋肉のストレッチ効果も高いです。

足指のグーパー体操

足指を開いたり閉じたりする、１回30秒の簡単運動です。
道具が必要なく、靴さえ脱いだ状態であればどこでも実践できます。

外反母趾体操をより詳しく知りたい方は、「一日30秒から! 外反母趾を自宅で治す効果的な方法【４選】」の記事をご覧ください。

包帯療法

包帯療法は、東京都港区赤坂にある山王病院の整形外科部長である青木孝文（あおき・たかふみ）先生が考案した、外反母趾の痛み改善や矯正効果が期待できる治療方法です。

包帯を寝ている間に巻くだけで特にデメリットもなく、有効率88％（山王病院でのデータ）と紹介されています。

包帯療法をより詳しく知りたい方は、「【実績多数】外反母趾の包帯療法について」の記事をご覧ください。

正しい歩き方をする

歩き方が悪いと外反母趾は治癒するどころか、悪化していきます。
正しい歩き方を身につけることで、歩くだけで足指が自然と鍛えられるようになります。

正しい歩き方について詳しく知りたい方は、「外反母趾に有効な「正しい歩き方」 ～改善・抑制につながる歩行～」の記事をご覧ください。

足サイズにあった靴を履く

足には足長（そくちょう）だけではなく、足囲（そくい）や足幅（そくふく）といったサイズがあるのをご存知でしたか？

足長（そくちょう）	足囲（そくい）	足幅（そくふく）
指先の最も長いところから、かかとの最も出っ張ったところまでの長さ。いわゆる一般的な靴のサイズ	一番幅の広い、「親指の付け根」と「小指の付け根」を一周取り巻いた長さ	一番幅の広い、「親指の付け根」と「小指の付け根」を結んだ直線

当店「魔法の靴屋さん」で販売実績のあるスニーカーを例に説明すると、足長23.5cmの靴でも足幅・足囲はこれだけ違いがあります。

商品	足幅	足囲
Ａ	10.0cm	22.5cm
Ｂ	8.4cm	21.4cm
Ｃ	8.0cm	23.5cm

靴の専門店でさえも、足幅や足囲のサイズまで明示しているところはほとんどありません。

足長だけ合わせても自分の足に合った靴とは言えませんので、「足囲」や「足幅」を測ったうえで、それに合わせて靴が買えるお店を選びましょう。

手術に踏み切るタイミングは

重度の外反母趾であっても、痛みがない場合や手術を希望しない場合は、保存療法から治療を開始するケースもあります。

しかし、保存療法が無効な場合においては手術を検討する段階に入ります。
保存療法が有効か無効かの判断は、外反母趾角の改善だけでなく、痛みの程度もチェックします。

外反母趾の進行度	基本的治療な方針
予備軍	経過観察・靴指導・足趾運動
軽度〜中等度	保存療法・靴指導・運動療法・装具療法
重度	同上。効果がない場合は手術療法を検討

外反母趾の手術についてより詳しく知りたい方は、「外反母趾の手術について（費用、保険適用、術式、期間など）」の記事をご覧ください。

痛みが軽減しない

手術療法に踏み切る理由としてもっとも多いのが、母趾内部痛です。
親指の付け根の突出部が靴で圧迫され、炎症を起こすことが原因です。

（※）参考：『外反母趾　病態を理解し,正しい治療選択ができる』 編集：須田 康文（2019年,メジカルビュー社）

変形により靴が履きにくい

足の変形により靴が履きにくくなり、履きたい靴が履けないため手術を希望するケースも多いです。
最近は外反母趾対応の靴が増えたとはいえ、手術を検討するような足では好みの靴やおしゃれな靴は、ほとんど履けなくなります。

手術をすることで、以前のような靴が履けるのではという希望を抱いて決断する方も多いです。

母趾に力が入らず歩きにくい

さらに、外反母趾が重度なほど足の親指に荷重がかけられなくなり、歩きにくくなったり、場合によっては転倒しやすくなります。

ご高齢になればなるほど、転倒すると寝たきりになってしまう可能性が高く、そういった点からも手術を希望するケースもあります。

まとめ

外反母趾の手術は、「DLMO（デルモ）法」という体に負担の少ない手術方式で行うことも多いです。
この術式では、入院は多くて１泊、歩けるようになるには１～２カ月程度となります。

とはいえ、外反母趾の手術には私生活や仕事が犠牲になり、再発のリスクも伴います。

もし手術を検討しているのであれば、担当の先生にしっかりと相談することをおすすめいたします。

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