【エビデンスあり】外反母趾に矯正器具は効果あるのか？

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エビデンスから読み解く矯正器具の効果

「矯正グッズ・サポーター・インソールなどの矯正器具は外反母趾に効果があるのか？」

そんな疑問、一度は思ったことありませんか？

こちらでは、外反母趾の矯正器具に効果があるのか、『外反母趾診察ガイドライン2022 改訂第３版』（監修：日本整形外科学会・日本足の外科学会,南江堂）などの専門誌によるエビデンス（根拠）をもとにご紹介します。

まず、結論から申し上げると『外反母趾診察ガイドライン2022 改訂第３版』には、

「軽度から中等度の外反母趾に対して装具療法を行うことは弱く推奨」

とあります。

なぜ「弱く推奨」なのかというと、装具療法のみで痛みを取り除いたり、変形を矯正させたりといったエビデンスが不十分なためです。

『外反母趾　病態を理解し,正しい治療選択ができる』（編集：須田 康文, メジカルビュー社）には、「現行の装具では変形の明らかな改善が得られることが困難である」といった指摘もあります。

また、装具によっても、以下のような違いがあります。

セパレーターの場合

セパレーターとは、足の親指と人差し指を物理的に離す（セパレート）するための矯正器具です。
サポーターとして販売されているものや、シリコーン製などの器具を指の間に挟むものなどがあります。

セパレーターは、「（※1）装具療法単独で除痛効果が得られるかは今のところ不明」です。

インソールの場合

インソール（中敷き）は、靴に装着する矯正器具です。
インソールにも種類がありますが、基本的には整形外科を受診し、医師による診断の結果、インソールの適用が必要であると判断された方に対して専門技術者が対応いたします。

インソールは、「（※2）時間経過とともに疼痛は優位に現象」と報告されています。

（※1）『外反母趾　病態を理解し,正しい治療選択ができる』 編集：須田 康文（2019年,メジカルビュー社）

（※2）保存療法　特集 外反母趾診療ガイドライン改訂　外反母趾治療のトレンドを知る｜田中 博史（臨床整形外科 58巻2号 2023年 p.145～149）

なぜ外反母趾で矯正器具を使うのか

外反母趾は、その原因がハッキリと解明されていないため、治療は「保存療法」からはじめます。
保存療法は、以下のようなことです。

• 靴の指導
• 装具療法
• 運動療法

装具療法は、装着するだけの手軽さがあるため、外反母趾患者にとって負担が少ないです。
そうしたこともあり、矯正器具を使った装具療法が採用されています。

外反母趾の対策グッズにはさまざまな商品があります。
ただし、どの対策グッズも、人によっては効果の感じ方が異なります。
「まったく効果がなかった」というケースも十分にあり得ますので、そうした実情を理解して使う必要があります。

外反母趾の矯正器具効果を高めるためには

では、矯正器具の効果を高めるためにはどうすればいいのでしょうか。

それは、他の保存療法も並行して行うことです。

『外反母趾　病態を理解し,正しい治療選択ができる』では、「軽度から中等度の外反母趾に対する装具療法は、その他の保存療法を併用することで短期での除痛効果や変形矯正効果は期待できる」とあり、下記のような保存療法と併せて行うことを推奨しています。

履いている靴の見直し

外反母趾は履いている靴の影響を受けやすい症状です。
特に、足先の細い靴やヒールの高い靴は、足にとって悪影響です。

ですから、履いている靴を見直す必要があります。

例えば、以下の条件に合う靴を選ぶなどです。

• 靴ひもがあるものがおすすめ
• 足先にゆとりのあるもの
• つま先に伸縮（ストレッチ）素材のあるもの
• 実質ヒール高さが３cm以内のもの
• アーチクッション付き
• 中足骨パッド付き
• サイズに合った靴を履く

より詳しく知りたい方は、、「外反母趾でも痛くない履きやすい靴の選び方【７選】」の記事をご覧ください。

外反母趾体操（運動療法）

外反母趾は、足の筋力低下が大きく関係しています。
ですから、運動療法は外反母趾の除痛や変形矯正に対して効果的とされています。

特に「母趾外転筋運動」や「ホーマン体操」と呼ばれる外反母趾体操がおすすめです。

より詳しく知りたい方は、、「一日30秒から! 外反母趾を自宅で治す効果的な方法【４選】」の記事をご覧ください。

ストレッチ（運動療法）

さらに、外反母趾体操の効果を高めるものとしてストレッチもおすすめです。

「（※3）関節や筋腱のストレッチは関節拘縮を軽減させて、正常な関節運動を復活させるため、中等度以上の外反母趾変形の悪化予防、軽度変形例や小児や若年例では変形矯正効果が期待できるため、継続して行わせることが非常に有用」と唱える論文もあります。

より詳しく知りたい方は、、「外反母趾改善におすすめのストレッチ」の記事をご覧ください。

（※3）外反母趾に対する保存療法—運動療法｜佐本 憲宏（臨床整形外科 54巻2号,2019年2月発行　p.159-166）

まとめ

外反母趾に対しての矯正器具の効果についてご紹介しました。

外反母趾の矯正グッズは非常に便利であるものの、単独で行うより「靴の見直し」や「運動療法と（外反母趾体操・ストレッチ）」と並行して使用するのが望ましいです。

また、装具療法のなかでも、「包帯療法」というものが話題になっています。

包帯療法についての詳細は、「【実績多数】外反母趾の包帯療法について」の記事でご紹介していますので、ぜひご覧ください。

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