パンプスの靴擦れを防ぐための対処法や靴の選び方

当コラムは昭和57年（1982年）創業のインペリアル・エンタープライズ株式会社によるものです。年間500種類以上販売している靴のなかから、外反母趾など足に悩みをお持ちの方でもゆったりと履けるエレガントな幅広シューズをご紹介しています。ショッピングサイトはこちらから

なぜ？ パンプスで靴擦れが起こる理由

靴擦れはどうして起こるのでしょうか。
それは、歩くたびに靴と皮膚に摩擦が起きるからです。

この摩擦により肌が痛み、皮むけや水ぶくれなどの症状が起こります。

パンプスが脱げやすい方は、「なぜ？ パンプスのかかとが脱げる原因と対策」の記事をご覧ください。

ヒールが高すぎる

ハイヒールは地面との接地面が少ないため、着地時の衝撃が大きくなりかかと部分に摩擦が起きやすくなります。
また、ヒールが高いとつま先で体重を支えるようになるため、靴の中で足が前すべりして、つま先部分が窮屈になります。

これにより、かかとやつま先部分に靴擦れが起こりやすくなります。

靴が足に馴染んでいない

新品のパンプスを履くと靴擦れが起きやすいのは、靴が足に馴染んでいないため摩擦が起こりやすいからです。

履き続けることで次第に足に馴染むため靴擦れは解消されますが、履き続けることが困難だと二度と履かなくなるケースも珍しくありません。

パンプスの馴染ませ方について詳しく知りたい方は、「新品のパンプスを足に馴染ませる方法【４選】」の記事をご覧ください。

足の形に合っていない

日本人の足型は、大きく分けて上図の３つに分かれます。

自分の足型とパンプスの形状が合っていないと、つま先部分に無理が生じて靴擦れが起こりやすくなります。

特に日本人に多いといわれるエジプト型には、どんな靴でも難なく履けることができる特徴があります。
それにより、足先の細い靴やヒールの高い靴も履けてしまうので、外反母趾など足トラブルの発症リスクが高まる懸念があります。

• 親指が長いエジプト型は外反母趾に要注意！ 足型と外反母趾の関係について

足サイズに合っていない

足には足長（そくちょう）だけではなく、足囲（そくい）や足幅（そくふく）といったサイズがあるのをご存知でしたか？

足長（そくちょう）	足囲（そくい）	足幅（そくふく）
指先の最も長いところから、かかとの最も出っ張ったところまでの長さ。いわゆる一般的な靴のサイズ	一番幅の広い、「親指の付け根」と「小指の付け根」を一周取り巻いた長さ	一番幅の広い、「親指の付け根」と「小指の付け根」を結んだ直線

例えば、足長23.5cmのパンプスでも足囲・足幅は商品によってこれだけ違いがあります。

商品	足幅	足囲
Ａ	10.0cm	23.9cm
Ｂ	7.9cm	24.5cm
Ｃ	8.0cm	21.4cm

足のサイズに合わない靴を履くと、以下の理由で靴擦れが起こりやすくなります。

• 靴の中で足が前すべりする
• かかと部分と靴に隙間が空くことで、足が自由に動いて摩擦が発生する

さらに、足サイズに合わない靴を履き続けると、開張足など深刻な足トラブルの原因にもなりかねません。

靴擦れが起きてしまった場合の対処法【３選】

靴擦れが起きたときは、いち早く対処することが肝要です。
早期に対処すれば数日から１週間ほどで痛みは気にならなくなりますが、水ぶくれが悪化して細菌感染した場合、完治まで数週間要します。

すでに靴擦れでお悩みの場合は、靴に肌を当てないことと、靴と肌の摩擦を抑えるようにしましょう。

フットカバーやパッド、絆創膏で皮膚を保護する

靴擦れが起きた皮膚をフットカバー（靴下）やパッド、絆創膏で保護すると患部が悪化しにくいです。

ただし、痛みが少しでもある場合は靴擦れが悪化しやすいので、パンプスを履くのは中止するのが無難です。

インソールやパッドで足の前すべりを抑制する

市販のインソールや靴パッドを使うことでも、靴擦れを抑制することができます。
特に、大きめのパンプスを履いているときなどにおすすめです。

ただし、注意する点として、インソールやパッドが足や靴に合わないケースがあります。
専門店に相談してみるといいかもしれません。

パンプスを柔らかくする

パンプスを柔らかくする方法は、靴の素材によって異なります。
こちらでは、ケース別にパンプスを柔らかくする方法をご紹介します。

革製パンプスの場合

革製パンプスの場合は、革靴専用のクリームを塗って革の繊維をほぐすと足に馴染みやすくなります。
靴自体も長持ちするため、非常に有効な手段です。

※ただし、合成皮革やビニール、布製の場合は、革靴専用クリームは使えません。

シューキーパーやシューストレッチをお持ちの場合

シューキーパーやシューストレッチャーを使って、靴を馴染ませるようにしましょう。
簡単な作りのものだと100円均一でも手に入るようです。

革製パンプスの場合、クリームと併せて行うとより効果的です。

シューキーパーの類をお持ちでない場合

※こちらのやり方は、本革製パンプスに限ります。
合成皮革やビニール、布製のパンプスは行わないでください。

パンプスを履いたままドライヤー（弱）を当てて、馴染ませてください。
温風を当てたり休ませたりしながら、計20分ほど行うと馴染みやすくなります。

熱風はパンプスを劣化させてしまうので、必ず様子を見ながら弱風で行ってください。

靴擦れしにくいパンプスの選び方や対処法

これからパンプスを購入する際は、以下の点に注意するといいでしょう。

• ローヒールの靴を選ぶ
• 歩き方をチェックする
• パンプスを足に馴染ませる
• 靴擦れ防止パッド付きの靴を選ぶ
• 自分の足型に合ったパンプスを履く
• 足サイズに合った靴を選ぶ

ローヒールの靴を選ぶ

上述の通り、ヒールの高い靴は靴擦れだけでなく、足の疲れや痛みを引き起こす可能性があります。

「（※1）ヒール高さ５cmの婦人靴は、スニーカーに比べて筋活動量が多いことから、長時間履き続けるとスニーカーより疲れやすい」ことが研究論文によって示唆されています。
別の論文でも、「（※2）（50歳以上のシニア世代はより顕著に）ヒールの高さにより負荷が高くなることが明らか」との報告があります。

できれば、ヒール高さ３cm以下のパンプスを履くようにしましょう。

（※1）婦人靴のヒール高さの違いがバランスと歩行に及ぼす影響｜徳田 良英(第48回日本理学療法学術大会)

（※2）ビジネスパンプス着用時における 歩行動作へのヒールの高さ｜薩本 弥生, 里見 彩加, 島﨑 康弘, 斉藤 秀子, 丸田 直美（デサントスポーツ科学vol.40 p.236-246）

歩き方をチェックする

パンプスは、種類によって歩き方が異なってきます。

一般的に、ハイヒールの場合はかかとやつま先を同時に着地させるのがよいとされています。
同時に着地させることで、足への負担を軽減できるからです。

また、しっかりと背筋を伸ばし、ガニ股や内股にならないように気を付ける必要があります。

一方、ローヒールの場合、スニーカーのようにかかとから着地させて歩きます。
歩き方によっては、靴擦れが起きやすくなりますので注意が必要です。

パンプスを足に馴染ませる

購入したパンプスは、室内で履きながら足に馴染ませるのがおすすめです。
それと並行して、上述のように「パンプスを柔らかくする」ケアを行えば、時間をかけずに足に馴染みます。

パンプスの馴染ませ方についてより詳しく知りたい方は、「新品のパンプスを足に馴染ませる方法【４選】」の記事をご覧ください。

靴擦れ防止パッド付きの靴を選ぶ

パンプスによっては、かかとパッドが付いており、これにより靴擦れを抑制するものもあります。

自分の足型に合ったパンプスを履く

エジプト型、ギリシャ型、スクエア型（ローマ型）など、自分の足型に合ったパンプスを選ぶ必要があります。

パンプスは、自分の足型に合った足先の形のものを選びましょう。

足型	トゥの形状
エジプト型	オブリークトゥ
	ラウンドトゥ
ギリシャ型	ポインテッドトゥ
	アーモンドトゥ
スクエア型 （ローマ型）	スクエアトゥ

詳しくは、「親指が長いエジプト型は外反母趾に要注意！ 足型と外反母趾の関係について」の記事でご紹介しています。

足サイズに合った靴を選ぶ

前述の通り、足には足長（そくちょう）だけではなく、足囲（そくい）や足幅（そくふく）といったサイズがあります。

足長だけ合わせても自分の足に合った靴とはいえませんので、「足囲」や「足幅」を測ったうえで、それに合わせたパンプスを選びましょう。

パンプスの選び方について詳しく知りたい方は、「正しいパンプスの選び方 ～基本編から応用編までご紹介～」の記事をご覧ください。

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